【小笠原の植物と向き合って半世紀】

 

　著者は、小笠原の施政権が米国から返還された1968年以来、継続してその自然と植物を見守り、1981年にわが国で初めて『小笠原植物図譜』を出版したことで知られる。その後、同書「増補改訂版」（2003年）を刊行し、このたび知見を新たにして、「世界自然遺産」登録後初めて総合的な観点から小笠原の固有植物情報を、「最新の植物分類体系」に基づきながら写真と詳しい解説でまとめた。かつて小笠原にしか生育しないとみなされた種も、研究の進展に伴ってその固有性が見直されており、そうした情報を新たにしての出版である。本年「傘寿」を迎えた著者の、小笠原植物への情熱醒めやらぬ、まさに執念の最新著作であり、小社創業企画の一冊。

 

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