John L. Creech (ジョン L. クリーチ)
1920年米国ロードアイランド州ウーンソキットに生れる。ロードアイランド大学で園芸学を修め1941年卒業。第二次世界大戦で捕虜となりポーランドの収容所に送られ(1943−1945)、このときの園芸家としての活躍が語りぐさとなっている。戦後1947年マサチューセッツ大学で修士号を取得、1953年には博士号を取得(メリーランド大学)。その後、園芸専門家として米国農務局(USDA)に入り、続けて米国国立樹木園(The U. S. National Arboretum)の第三代園長(1973−1980)を務める。この間、1955年を皮切りに10回の植物探索旅行(うち6回の日本を含む)に携わり、観賞・有用植物の米国への導入に尽力した。いっぽう、米国建国二百年記念(1976)に際して、皇室始め日本から盆栽名品53鉢の寄贈実現に当って奔走し、後の米国国立盆栽盆景美術館設立の基礎を作った。日本のツツジ類に多大の関心をもち、ヒラドツツジの米国への導入者として知られる。2009年ノースカロライナ州にて歿。
【主著】
最晩年の小著『The Bonsai Saga —盆栽物語』(2001)に上述の盆栽寄贈の経緯を記した。多くの専門論文、植物探索調査報告書のほか、伊藤伊兵衛三之丞『錦繍枕』の英訳版『A Brocade Pillow』(加藤要訳、1984)や、Alice M. Coats『Garden Shrubs and their Histories』の1992年版に、園芸的な観点から解説や注を施した。
【受賞】
AHS Liberty Hyde Bailey Award(1989)、RHS Gold Veitch Memorial Medal(1991)など。1988年には「久留米市功労者」として表彰された。