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日本産樹木実生図譜

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▶︎樹木の生活史上、発芽から実生の定着までの時期は、種子に蓄えられた養分に依存する従属栄養の段階から自らの光合成活動による独立した栄養状態へと移行する時期であり、最も死亡率が高く、劇的な数の減少が見られる段階です。

 

▶︎この時期の実生の挙動は、後々の森林の種構成や樹木の空間分布にも大きな影響を与えるため、森林の動態を研究する上で樹木実生の定着様式に関する研究は重要な位置を占めています。しかし実際問題として、野外で樹木実生の定着過程を調べようとすると、実に多種多様な実生が発生してくるのに加え、名前が分からない実生も多くでてきます。実生の形態は親植物と大きく異なっており、特に発芽直後段階での同定は非常に難しいのが現実です。

 

▶︎近年では樹木の実生に関する知見は、私たちが研究を始めた1980年代の初めに比べると多くなってきています。しかしながら、日本の樹木について多様な実生形態の全体像をつかむことができる書籍はありません。

▶︎今回、私たちが共同研究をはじめて三十年近くの間に作成した膨大な標本資料をもとにして、梅林さんが描き溜めた精緻で美しい実生図が一冊の本として取りまとめられました。実生図だけでも、十分に種の同定ができるものとなっていますが、前半部分につけられている検索表を用いると、近縁種間の同定をより明確におこなうことができます。

 

▶︎最近はカラー写真による植物図鑑も増えてきましたが、やはり確実に種の特徴をとらえて表現するには線画が一番です。是非とも本書を参考に、樹木実生の多様な世界に足を踏み入れていただきたいと思います。(山中典和「本書序文」より)

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